NANAMI:
一言で表すとどんなアーティストさんなんですか。
atsuko:
そうですね、なんでもありだなと思っております。かっこいい楽曲だけではなく、面白い楽曲も、かわいい楽曲も、全て取り揃えている。そうですね、アニソンのなんだろう専門の卸し、デパートみたいな。卸しでデパートっておかしいな。アニソン百貨店みたいな。
清水:
一番得意なジャンルなんですか。
KATSU:
なんか、宿命とか運命を背負った主人公が、ロボットに乗るとか、そうやって戦うとか。いわゆる、ほんと、熱血ものじゃなくても、そういうロボットものとかSF、宇宙ていうのは得意だと思ってました。
清水:
思ってました?
KATSU:
はい、でもここ10年ぐらいはですね、それ以外の作品っていうのもいただけるようになってから、そのコミックな話のストーリーのものに対しては、そういうちょっと面白い曲だったりとか、インパクトのある曲を作ったり、ていうのも実は得意なんだなていうのは、もう10年ぐらい前に気づいて、はい、なので俺たちはロックだからロック以外はやんねーぜみたいな、そういう拘りみたいなのは一切ないです。
KATSU:
作品にあわせた曲だけを作りたい。
NANAMI:
素晴らしいですよね。いろんなね作品にあわせて曲が作れるっていうのは、もうすごいことだと思います。
清水:
この何十年ずっと一緒に音楽を続けてこられた、秘訣って何ですか?
KATSU:
お互いの家とかは知っているんですけど。休みの日に一緒にご飯にいくとか、そういうのはないんですよ。
atsuko:
そうですね、仕事の付き合い以上の深入りはあまりしないようにはしてますね。
清水:
距離感をある程度ちゃんと取ってるってことですか。
atsuko:
そうですね、すごい親しき仲にも、やっぱり礼儀というか。ちょっとの距離はやっぱりおいといたほうがいいし。あとやっぱりギスギスする時期もあるんですよ。どうしても。仕事だったり。なんですけど、お互いなのか、KATSUさんなのか、結構すぐ忘れてくれるタイプで、そこはちょっとありがたいなと思ってますね。
KATSU:
7時間以上寝ると僕もう忘れちゃうんですよ。でもやっぱ、いい意味でなんですけど、お互いがお互いを利用しあっているというか。やっぱ僕は作詞とかは一切できないし、そういう意味ではatsukoさんが書いてる詞を見るのも好きだし、っていう意味で。この詞すごいねとわざわざ褒めないんですよ。
atsuko:
わざわざ?
KATSU:
だけど、自分にないものを持ってる、僕、歌も歌えないんで。相方が歌ってくれる、作詞をしてくれる、みたいな。そういうところでバランスをとっているんだと思うんで、言い方悪いかもしれないんですけど、利用しているっていうのはあると思います。
atsuko:
リスペクトな。
KATSU:
あ、リスペクトな。これ、編集で何とかならへんかな。
清水:
リスペクトだけ喋っていただいて。編集でこう...
KATSU:
そうですね、リスペクト、もういいです、手遅れです。利用させていただいております。
清水:
atsukoさんとKATSUさんにとっての、成功だったり幸せっていうのはどういう考えですか?
atsuko:
成功と幸せはでも、イコールじゃないのかなとは思います。はい、もちろん成功したいし、すごい曲が売れて、さいたまスーパーアリーナとか東京ドームでライブやるって言ったら一瞬でチケットが完売してとか、なんかそういうの成功のイメージなんですよね。なんですけど、でもその時に周りに信頼できる人とか、いなかったらそれってすごく不幸なことだと思うし、自分のやりたいことと目標、それを手助けしてくれる人たちとこう同じ方向を向いていられるか、そしてあのその人たちが、人間的に好きで、もしその仕事がなくなっても、将来、なんでしょうね。老後とかに一緒に集まってご飯食べたりとかそういうことができる関係を保ち続けることができるとか、なんかそこが私、成功でありなんか幸せなのかなって思ってます。
KATSU:
でも、そのスーパーアリーナみたいなところが本当満員で、チケット速完でって、終わった後も、もしかするとライブの本番中には次のことを考えてると思うんですよね。また、この場所を同じだけ満員にできるかどうかって多分誰しもがまだ不安で、今回だけかもしれないみたいな気持ちにはなってると思うんですけど、そういう中で幸せとかその幸福感って言うのも、なんかもう本当に結論として自分がそう感じればそれでいいと思うんですよ。でもなんかその成功かどうかの見極めと言うか、それってライブが例えばライブの目標にしてた場所でライブをやりました、その後の打ち上げでスタッフさんとか周りの人がどれだけ満足してるのかを、僕見ちゃいます。自分がうぉー〇〇まで来たぜ!やった!っていう幸福感というのはあるにはあるんですけど、その時にスタッフみんなが「今日のは...」って頭を抱えてたら、そのライブは失敗なんですよ。
atsuko:
疲れたね、angelaめんどくさかったな、もうほんと、わがままばっかり言いやがって、みたいなね。
KATSU:
もうなんか無口な、本当に無口なスタッフさんが、今までずっと怒ってんのかなと思ったんだけど、その打ち上げの時にウェーイってやってたら、このライブやって良かったんだなって、皆をなんか満足させることできたんだなってなると、僕の中での達成感はありますね。
atsuko:
あと、来てくれたお客さんが自分たちより喜んでたりするのを見たりすると、なんか本当にやって良かったなって思いますね。
清水:
ライブっていうのは一つのそういう実感する節目ではあるということですよね。アーティストにとっては。
atsuko:
そうなんですよ。やっぱりなんかみんなで、一人じゃできないし、二人でもできないしangelaの、やっぱりたくさんの方の力と何よりも見てくれる人がいないと成立しないので。編集後記
これまでの活動の中で生まれたangelaの世界観。それはリスペクトから来ているのだと感じました。
力を補いながら活動を続けてきたから今のangelaがあると語るatsukoさん、KATSUさん。お二人が掲げる成功と幸せの“カタチ”は、お互いに少し違った目線で同じ場所を見ていました。
携わる作品に、ライブで関わる人に、そしてお互いに「リスペクト」の想いがあるからこそ、生まれ出るクオリティなのだと分かりました。
atsuko & KATSU(angela)
2003年「明日への brilliant road」 でメジャーデビューし、以降「蒼穹のファフナー」「シドニアの騎士」など数々の人気アニメ作品の主題歌を担当。さらに海外イベントにも多数出演し、2017年には初となる日本武道館ワンマンライブも成功させるなどアニソン界で不動の人気を獲得している。2021年7月7日、ニューシングル「アンダンテに恋をして!」をリリースするなど精力的に活動中。
「作品にあわせた曲だけを作りたい。」