NANAMI:
高校時代にガンダムの主題歌でデビューしたと思うんですけど、リストラ寸前だったっていうのは本当ですか?
森口:
寸前っていうか、リストラ宣告を受けました。
NANAMI:
ええっ。宣告受けたんですか?
森口:
そう。堀越学園卒業間近に「あの子は才能が無いから、もう福岡に帰したほうがいい」って言われて。マネージャーから組織表を見せられて「名前がもうないよ。どうする?」って。いや、どうするも何も、大人の矛盾に納得いかんと思って。とにかく私歌が歌いたかったので、4歳から歌手になりたくて。で、いろんなオーディション受けまくりの落ちまくりで、やっと最後に手を差し伸べてくれたのがアニメ。さっき清水社長が仰ったように。ガンダム、あの世界が私を救ってくれて。そのデビュー曲はスマッシュヒットまでいったんですけど、そのヒットが終わったら事務所はもうお役目御免的な。
NANAMI:
そうなんですね。
森口:
それで言われて悔しくて。で、どんなお仕事でも頑張るので帰さないでくださいって泣きながら言った時にバラエティーのお仕事を頂いて、現在に至ると。
清水:
でもそのおかげで知名度が広がったっていうのはありますよね、バラエティーになって。
森口:
そうなんです。これ、この先には絶対歌があるっていう風に、歌に繋げようと思って、まずは顔と名前を、仰ってくださったように目標にして。顔と名前を覚えてもらうことを目標に頑張りました。
NANAMI:
これまでの芸能生活、35周年だと思うんですけど、私も芸能生活本当に去年初めたばっかりで。1年ぐらいなんですよ。芸能のお仕事を続けるためになんかアドバイスとかあったら是非教えていただきたいんですけど。
森口:
あー。今は見るもの出会うもの、全てがフレッシュで。すごい、ときめきの時期だと思うんですけど、もう全ての出来事に感謝をして「若い芽を摘む」
NANAMI:
あー。
森口:
あー、でしょ。そこ、笑うとこ!そこ笑うとこ!
清水:
邪魔になりそうなのは摘む。
森口:
それは冗談で。長く続けるにはやっぱりでも好きっていう気持ちをいつでも大切にしてほしいなって思います。
NANAMI:
そうですよね、わかりました。
森口:
今でも共通して言えるのが根拠のない確信がいつもあるんですよ。
清水:
それはいつ頃からですか?
森口:
歌手になりたいって言いながら、なりたいじゃなくて、もうなる。何が何でもなる。で、実際になるって思ってたのが中学校の時にオーディションことごとく落とされていく時になれないっていう現実にぶち当たるんだけど、でもなんとしてでもなるしかなくて、私の中で。だから根拠のない確信って絶対大事だなと思って。
NANAMI:
だからこそ諦めずにやってこれたっていうのもありますよね。
森口:
あります。強くイメージする。オリンピック選手とかも、スポーツ選手もみんな共通して言えるのは、成功している、成功体験の自分を描いて、それで引き寄せる。私も引き寄せってずっとやってるんですけど、やってるっていうか、やってたことが「ああ、引き寄せだった」って気付いて。それでアインシュタインとか、エジソンとか偉大な人たちの共通点もやっぱそこなんですって。
清水:
僕もそのことを教えてもらった時は人生すごく上手くいっていない時で。でも実践してきて、ふと気付いたら当時思い描いてた状態で僕がいて。欲しかったもの、乗りたかった車だったりとか状態が「あ、これなんだな」と思って。でも8年ぐらい前ですけど、8年掛かったのかもしれないですけど。
森口:
でもその弱気な時って、たかがイメージ、たかが思うこともできなかったりするじゃないですか。私もそんなときがあって。私、本当正直、結婚は描こうとしていなくて。そんなに今必要としていないのかな、とか、あーでもやっぱり誰かいた方が楽しいし豊かだし、描くんだけど、なんか仕事でバーンと描くようなエネルギーが自分の中では本当に湧いてこなくて。だから私、今結婚してないのかな、とか、本当に自分がしたいって思って描き始めたらきっと「あ、じゃあ結婚してるかも」って。そこをすごく感じるんですよね。
清水:
僕も出来るかどうかって自分がどこまでそこに熱量をもって「こうしたい」と思うかによるなってよく思いますね。熱量ないと「まあ、いっか」みたいな感じに。
森口:
熱量大事ですよね。その描き方も違いますもんね。熱量もって描いてる時って描くのもすごく自然に描けたりとか。
清水:
そうですね。どんどん出てきますしね、具体的に。
森口:
湧いてきますよね、イマジネーションが。
編集後記
4歳から歌手を目指し、小学1年生から歌番組に出て芸能の世界へ歩みを始め、デビューしてからも様々な困難に当たりながらも、輝かしい存在へと昇華した森口博子さん。国民的な歌手、バラエティアイドルの代表格である彼女の言葉から「成るべくして、成った。」のだと強く感じました。
森口博子さんの熱量の元は「この先に絶対歌がある」という根拠のない確信。「成りたいじゃなく、成る」という強いイメージが、成し遂げる為の熱量へと変わり、一つ一つ成し遂げていくことで、成功へ自然とその道へ導かれたのだと理解しました。
「なりたいじゃなくて、もうなる。何が何でもなる。」